会長挨拶

長崎県国際理解教育研究会 会長 松本直道
                (長崎市立畝刈小学校 校長)

 私たち長崎県国際理解教育研究会は、文部科学省から在外教育施設に派遣された経験を持つ長崎県の教員の研究団体です。本会は帰国教員の全国組織である「全海研」の長崎県支部であり、長崎県の国際理解教育の発展と推進に寄与し、30年以上にわたり、県内外にその研究成果を発信してきました。
 令和2年度から始まった新型コロナ禍によって、教育界は2度にわたる長期の臨時休校。運動会、卒業式といった主要な学校行事の変更や縮小など、「学校の危機」の只中となりました。本会もほぼ1年間活動休止を余儀なくされました。
 そのような中でしたが、私たち在外教育施設派遣教員経験者には、海外での教員生活の中で自然と身につけてきた日常の危機意識の高さがあります。多くの先生方が、目前の難問に立ちすくむ中、私たちは自らの経験という引き出しを開き、様々な手立てや考え方を他の先生方に提案することで大きな貢献ができたことと信じます。
 予測不能で変化が速く大きい時代はこれからも続きます。society5.0時代は情報の量と速度が増し続け、AIに頼ることでもなければ、人智での対応はもはや不可能です。それでも、判断するのは、やはり人であり、情報を自在に見とる「目」と判断する「肝」が必要とされます。
 現在、大河ドラマで脚光を浴びている渋沢栄一は、大変化をとげる幕末の世をパリの空から見つめました。その先見の明が、明治の産業発展に多大な影響を与え、古い日本を変える大きな力となりました。
 私たちも自らの経験を生かし変化の著しい教育界の中で、渋沢のように一筋の光を生み出す存在でありたいと考えています。是非、私たちの活動に興味を持たれる方はご連絡をお待ちしています。