長崎県国際理解教育研究会 会長 吉田 由美子
(長崎市立愛宕小学校 校長)
【 会長挨拶 】 長崎県では、昭和48年度のナイロビへの派遣から数え、これまでにのべ220名の教師が、世界各地の教育施設へ派遣されています。2024年度にも新たに7名が派遣され、現在21名が派遣中となっています。(数字は本会確認分)これら派遣教員は、多くの困難を乗り越えながら現地の教育に尽力するとともに、国際理解教育を推進してまいりました。さらに、帰国後もその知識と経験を生かして、長崎県の国際理解教育の一端を担ってきたところです。 「長崎県国際理解教育研究会」は、このような派遣教員を中心に「帰国教師の会」として1991年に発足し、今年で34年目を迎えます。これまでに、1997年、2010年そして2018年8月に九州ブロック大会を、2002年には全国大会を実施し、本県研究を中心に九州及び全国の同志と共に、海外子女教育及び国際理解教育の研究を深めてまいりました。長崎県内の活動といたしましては、夏の総会、帰国歓迎会、そして冬の国際理解教育セミナーを継続的に実施し、本会の歩みを綴った会誌「でじま」の発行も24号を数えたところでした。 しかしながら、2020年の世界的な新型コロナウイルス感染症の大流行により、在外教育施設での教育は、国内以上に大きな困難に見舞われました。そのような中にも、派遣教員の皆様はできる限りの教育実践を継続されました。本会におきましても、これまで同様の活動を行うことはできませんでしたが、本会の目的である「国際理解教育の充実・発展に寄与するとともに、海外子女教育及び帰国子女教育・外国人子女教育の普及と振興」に努めるべく、会の運営を絶やすことなく、リモートでの理事会や研究会の実施及び組織やその役割の見直し等を行い、アフターコロナの活動に備えてまいりました。 これを受けて、2022年、オンラインでの冬のセミナー開催を皮切りに活動を再開し、2023年は、夏の総会及び帰国教員歓迎会、及び冬のセミナーを対面での開催にこぎつけ、盛会裏に終えることができました。そして、2024年7月、会員のみならず、今後、在外施設への派遣を希望される先生方と共に集い、帰国報告会及び派遣者希望者セミナーを開催することができ、会は熱気に包まれました。 折しも、2022年6月「在外教育施設における教育の振興に関する法律」が施行され、翌年4月には、「在外教育施設における教育の振興に関する施策を総合的かつ効果的に推進するための基本方針」が示されました。この中で、派遣教員の重要性やその研修の充実が謳われており、本会の果たす役割が大きくなっていると感じているところです。 これらを受け、本会におきましては、「この会に引き継がれてきた先輩方の熱意」と「私たちの後に続く派遣希望者の夢」をつなぐとともに、「在外教育施設で、今、現在、汗を流しておられる派遣教員の皆様」と「帰国後、その経験を生かすことができる教職員の皆様」をつなぎ、「次代の社会を担い、及び国際社会で活躍できる豊かな人間性を備えた創造的な人材の育成に資するとともに、国際相互理解の増進に寄与」できますよう、微力ながらも尽くしてまいりたいと存じます。さらには、その皆様方を支えることができる本会と全国海外子女教育・国際理解教育研究協議会や長崎県教育委員会及び各市町教育委員会等の関係機関をつなぐことで、より一層の前進ができるよう努めたいと存じます。 最後に、皆様方の御参加と御協力を衷心からお願い申し上げて、挨拶といたします。 |
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